名古屋大学の天野です。日頃より本学の教育・研究にご支援を賜り、お礼申し上げます。
おかげさまでGaN(窒化ガリウム)を中心とした次世代半導体の研究開発は本学を中心にして急速に進展し、世界トップ、世界唯一と呼ばれる成果を数多く上げることが出来るようになっております。権威ある国際会議においても基調講演や招待講演の依頼を数多くいただいており、マスコミにも取り上げられるようになって参りました。これもひとえに国からの支援、未来エレクトロニクス集積研究センター(CIRFE)に集う民間企業や国立研究開発法人の方々のご尽力に加えて、皆様方からのご支援の賜物であります。
GaNは既に研究開発のフェーズから如何に社会実装するか、という第二のフェーズに移行しつつあります。青色LEDで実証した7%の省エネルギーをさらに進め、2030年までに社会全体で15%以上の省エネルギー化を実現し、さらに2050年までにカーボンニュートラルを実現するためには再生可能エネルギーを基盤とした社会システムを構築することが必要です。そのためには如何に皆様方に喜んで使っていただけるGaNを用いた優れたデバイス・システムを社会に普及させるかが重要です。
またGaNは5Gはもちろん、6Gと呼ばれる次世代の無線通信実現の切り札として期待されており、その開発も急ピッチで進められております。一例ですが、6Gの時代になりますと遅延時間がほぼゼロで大量の情報をやりとりすることが出来るようになるため、皆様の身体や心の状態をすべて24時間精密にモニタリングできるようになり、AIによるフィードバックで常に最適な健康状態を保つことが出来るようになります。
さらにGaNを用いた紫外線発光デバイスはウィルスを不活化するのに有効で、ウィルスによる感染を水際で防いだり、災害時にも安心して飲める水を提供することが出来るようになります。これら未来のデバイス・システムを社会実装するには、皆様からの応援支援がますます必要になって参ります。
是非これからも我々の活動にご注目いただき、ご支援いただきますようよろしくお願い申し上げます。